ポスト検索
エネルギー消費量を50%削減、三井化学が環境配慮型炭素繊維の実証ライン構築へ

三井化学株式会社三井化学株式会社と日本マイクロ波化学株式会社は、環境対応型炭素繊維製造の基盤技術を実証する生産設備を共同で設置する。実証生産設備は2023年12月竣工予定で、三井化学名古屋工場内に設置される。

これは、マイクロウェーブ・ケミカルズ社が革新的な炭素繊維製造技術の開発に成功したという報告書に続くものである。この技術は、原料フィラメントの酸化工程(炭素繊維製造工程で最もエネルギーを消費する部分)と炭化工程を組み合わせたものである。この統合されたマイクロ波ベースの加熱プロセスは、カーボンMXと名付けられた。

マイクロ波化学株式会社は、三井化学株式会社にカーボンMX技術に基づく全ての設備を供給する。三井化学は、Carbon-MX技術のプロセス要素も含めた生産ライン一式を完成させる。実証設備の完成後、両社は共同で量産技術の開発を検討する。

2022年の共同発表によると、この新技術は、マイクロ波が対象材料を内部から加熱する能力を利用し、不必要な発熱を最小限に抑えるプロセス革新を可能にするという。これにより、既存の方法に比べて熱処理にかかる時間が大幅に短縮され、加熱工程ラインの短縮や、よりコンパクトな生産設備の実現が可能になるという。また、装置自体が高温にならないため、設備コストやエネルギーコスト、安全性の面でも大きなメリットと効果が期待できる技術である。

三井化学株式会社とマイクロ波化学株式会社は、新技術の稼動により50%のエネルギー消費量の削減を見込んでいる。また、マイクロ波の発電にさらに再生可能エネルギーが使用されれば、予測されるCO2排出量も90%以上削減され、大きな環境効果が期待される。

この発表によると、三井化学株式会社とマイクロ波化学株式会社は、バリューチェーン全体を通じて炭素排出を最小限に抑えることを目指し、ライフサイクルアセスメント(LCA)を実施する。両社は、産業部門におけるカーボンニュートラルへの高まる要求に応えるべく、モバイルモビリティなどの分野を含む、炭素繊維の使用を計画している産業部門に全面的にサービスを提供する。

注目すべきことに、両社は、プラウェーブ・マイクロウェーブ社が開発した技術に基づくマイクロ波化学を利用して、自動車構造部品破砕残渣(ASR)とシート成形コンパウンド(SMC)製品を直接原料モノマーに分解するケミカルリサイクル技術の商業化にも共同で取り組んでいる。

新しい 記事

ナイロン強靭性向上のための適切なPOEグラフト無水マレイン酸の選び方とは?

補強と充填を必要とするPA6、PA66、ポリアミド系用の耐衝撃性改良剤として特別に設計されたCoace® W1A-Fは、その特殊な特性により、耐衝撃性と靭性の強化が最も重要な用途に最適です。

もっと読む→→→。

PBT改質における新たなブレークスルー:POE-g-GMA強化剤の画期的な応用

PBT改質におけるPOE-g-GMA強靭化剤の使用は、PBT材料の脆性に対処するだけでなく、プラスチック産業の新たな発展方向を提供する。

もっと読む→→→。

PP/PE複合材料にフィラーを加える場合、相溶化剤を加える必要がありますか?

PP-g-MAH相溶化剤の使用法を調べたい場合は、専門の化学品サプライヤーと連絡を取ることで、サンプルや技術サポートを得ることができる。COACEに相談することで、特定の用途のニーズを満たすためにミックスをカスタマイズすることができます。

もっと読む→→→。

メッセージを残す