カーボンニュートラルが世界的に注目される中、太陽光発電はまだまだ伸びる可能性を秘めている。世界中の太陽光発電システムの総設備容量は、2020年末時点で760.4GWである。フィルムの材料の大半はEVAであり、POEの割合も増え続けている。
太陽光発電の歴史は、常にコスト削減と効率化の繰り返しでした。EVAよりも大幅に高価なPOE素材には、どのようなメリットがあるのだろうか。以上の観点から、本日はPOEについて紹介する。
1.POE 太陽光発電部門での使用
太陽光発電ビジネスで頻繁に使用されるPIDを理解することは、その分野でのPOEの適用を理解する前に重要である。Potential Induced Degradation(電位誘起劣化)は、しばしば電位誘起減衰と呼ばれ、英語ではPIDの正式名称である。
PID効果は、2005年にアメリカのサンパワー社によって初めて特定・提唱された。これは、部品が高電圧で長時間動作し、カバーガラス、包装材、フレームの間に漏れ電流が存在し、セル表面に大きな電荷が蓄積して表面が不動態化する状況を説明するものである。部品の性能は、フィルファクター、短絡電流、開放電圧の低下も引き起こす劣化作用の結果、設計要件を下回るが、この減衰は可逆的である。
PID効果も発見され、現在ではいくつかの研究によって理解されている。太陽電池モジュールが負にバイアスされると、負極イオン(典型的にはNaイオン)が漏れ電流から電池シートに流れ込み、電池の並列抵抗が低下する。太陽電池モジュールのPID効果の3つ目の理由は、モジュールの端が水蒸気の浸入を受けやすいこと、EVAは加水分解後に酢酸を生成すること、酢酸がガラス中のNaと反応して自由に動く多数のNaイオンを生成することである。このNaイオンが電池シート表面の銀グリッド線と反応して腐食し、直列抵抗が増加して減衰を引き起こす。
PIDがEVAの加水分解にどのように関係しているかを説明するためである。
POEフィルム封止太陽電池モジュールは、水蒸気透過率が低いため、製品寿命が長く、耐久性が高い。発電量を高め、太陽電池モジュールの有効性、信頼性、寿命を向上させ、電位誘起減衰(PID)に対する耐性を高め、モジュールの早期故障や交換の可能性を減少させる。さらに、PIDに対処するため、二面発電やPERCセル部品の裏面にPOEが採用されることが多くなっている。表側のPIDと表側のPOEにより、N型TOPConの利用が容易になる。